カウンセリング比較ナビオンラインカウンセリング12社を、公開した算式で比べる

オンラインカウンセリングに保険は使えるか|適用外の理由と費用を抑える方法

民間のオンラインカウンセリングに公的医療保険は使えません。料金は全額自己負担です。公的医療保険が費用を負担するのは、医師のいる保険医療機関で行われる診療に限られていて、カウンセリングサービスはその枠の外にあるためです。

結論

民間のオンラインカウンセリングに公的医療保険は使えません。料金は全額自己負担です。公的医療保険が費用を負担するのは、医師のいる保険医療機関で行われる診療に限られていて、カウンセリングサービスはその枠の外にあるためです。

ただし、負担を下げる方法がないわけではありません。医療機関の中で受ける心理的な支援、自治体や大学の無料窓口、勤務先の福利厚生、通院している人向けの公費負担制度など、使える制度はいくつかあります。以下では、なぜ保険が使えないのかを制度の側から説明したうえで、医療費控除の可否と、費用を抑える具体的な手段を順に整理します。

なぜ保険が使えないのか

健康保険から給付されるのは「療養の給付」と呼ばれるもので、その中身は健康保険法第63条第1項に列挙されています。診察、薬剤や材料の支給、処置・手術、居宅や入院での看護といった項目が並んでいて、いずれも医師の診療にあたる行為です。相談に乗って話を聴く、という行為はここに含まれていません。

さらに同条第3項は、この給付を受ける場所を、都道府県知事の指定を受けた病院・診療所などに限定しています。つまり公的医療保険は「何をするか」と「どこで受けるか」の両方で範囲が決まっていて、医療機関ではない事業者が提供する相談サービスは、最初から対象に入っていません。

そのため、オンラインカウンセリングの料金が高くても安くても、3割負担になることはありません。「自由診療なので保険が効かない」と説明されることがありますが、正確には自由診療ですらなく、医療行為ではない相談サービスとして提供されています。カウンセリングは診断や薬の処方を行いません。この違いは料金の話にとどまらず、できること・できないことの線引きそのものです。詳しくはカウンセリングと精神科・心療内科の違いにまとめています。

保険が使える心理の支援は「医療機関の中」にある

公的医療保険で請求できる行為は、厚生労働省が告示する診療報酬点数表にすべて列挙されています。その第8部「精神科専門療法」には、通院・在宅精神療法や認知療法・認知行動療法といった項目があり、心理的なアプローチが保険の対象になる場面自体は存在します。

重要なのは、その実施者と場所が細かく決められている点です。令和8年度診療報酬改定の資料によれば、たとえば心理支援加算の実施者は「精神科を標榜する保険医療機関において、週1日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を1年以上行った経験のある公認心理師」と定められ、対面での実施が要件になっています。認知療法・認知行動療法で公認心理師が関わる区分にも、届出医療機関での勤務経験や同席回数の要件があります。

つまり、同じ公認心理師が行う支援であっても、保険の対象になるのは医療機関の中で医師の診療と一体に行われる場合だけです。資格を持っているかどうかではなく、どの枠組みで提供されているかで決まります。民間のオンラインカウンセリングで公認心理師のカウンセラーを指名できても、それは保険適用とは別の話です。資格の位置づけは臨床心理士と公認心理師の違いで整理しています。

なお公認心理師法は、資格のない人が名乗ることを禁じる名称独占の資格で、心理相談そのものを有資格者だけに限る業務独占ではありません。無資格でもカウンセリングを名乗れてしまうのはこのためで、サービス選びで資格の明記を確認する意味はここにあります。また同法第42条第2項は「公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」と定めています。通院中の人がオンラインカウンセリングを使う場合、主治医に伝えておいたほうがよいのは、制度上もこうした背景があるからです。

医療費控除の対象になるか

医療費控除の対象になるのは、国税庁の説明では「医師または歯科医師による診療等の対価」など、限られた費用です。民間のオンラインカウンセリングの料金は医師の診療の対価ではないため、原則として対象になりません。

一方、精神科や心療内科を受診し、その中で受けた精神療法や検査の自己負担分は、医療機関に支払った医療費の一部として控除の対象になり得ます。医療機関での支払いと民間サービスの支払いは、同じ「心の相談」に見えても税務上の扱いが違うということです。

判断に迷う支出は、領収書を残したうえで所轄の税務署に確認してください。本サイトは税務の判断を行う立場にありません。

費用を抑える現実的な手段

第一に、無料で相談できる公的窓口があります。自治体の精神保健福祉センターや保健所、国が案内する電話相談などは費用がかかりません。窓口は無料の相談窓口一覧にまとめています。継続的な支援には向かない場合もありますが、まず状況を整理する目的なら十分に使えます。

第二に、勤務先の制度です。企業が契約しているEAP(従業員支援プログラム)や健康保険組合の相談窓口があれば、本人の負担なく、または一部補助で相談できることがあります。利用状況が人事に伝わらない設計になっているのが一般的です。学生であれば、大学の学生相談室が無料で使えます。

第三に、すでに精神科・心療内科に通院している人には、自立支援医療(精神通院医療)という公費負担の制度があります。通院による精神医療を継続的に必要とする人が対象で、実施主体は都道府県と指定都市です。対象になるか、負担がどう変わるかは、自治体の案内と主治医に確認してください。

第四に、民間サービスを使うと決めた場合は、1回の料金ではなく継続したときの単価で比べることです。1回あたりの表示が安くても、セッションが短ければ分単価は高くなります。12社の実測値はオンラインカウンセリングの料金相場にあります。月に何回使うかで月額制と都度払いのどちらが有利かが変わるので、料金シミュレーターで回数を変えて確かめてください。

第五に、回数をあらかじめ決めて使うことです。「とりあえず続ける」と費用が膨らみます。初回を含めて3回から4回で一度立ち止まり、話しやすさと効果を振り返ってから継続を決めると、支出をコントロールしやすくなります。

それでも自費で受ける意味

保険が使えないことは、割高であることと同じではありません。保険診療の枠内では、実施時間や回数、担当者の選択に制約があります。自費のカウンセリングは、夜間や休日に予約できる、カウンセラーを指名できる、1回あたりの時間を長く取れる、といった点で自由度が高く、買っているものが違います。

一方で、気分の落ち込みや不安、不眠が2週間以上続いている、食欲や体重が大きく変わった、仕事や家事が手につかない、といった状態であれば、まず医療機関の受診を優先してください。カウンセリングは受診と並行して使うこともできます。費用の話の前に、どちらが必要かを見極めることが先です。

よくある質問

オンライン診療なら保険は使えますか?

医師が行うオンライン診療は、保険が適用される場合があります。オンラインカウンセリングは医師の診療ではないため適用されません。名前が似ていますが別の制度です。

公認心理師や臨床心理士のカウンセラーを選べば保険が使えますか?

使えません。保険の適用は資格ではなく、保険医療機関で医師の診療と一体に行われたかどうかで決まります。同じ有資格者による支援でも、民間サービスとして提供される分は全額自己負担です。

会社の健康保険組合から補助は出ますか?

健康保険組合や企業が独自に相談窓口や費用補助を設けている場合があります。公的医療保険の給付とは別の、組合・企業ごとの福利厚生です。加入先の案内を確認してください。

医療費控除のために領収書は取っておくべきですか?

医療機関に支払った分は控除の対象になり得るので、領収書は保管してください。民間カウンセリングの領収書も、判断を税務署に確認する際に必要になります。

出典

関連

ほかのガイド

ご注意:本サイトおよび掲載サービスの多くは医療機関ではありません。気分の落ち込みや不眠が2週間以上続く場合や、日常生活に支障がある場合は医療機関にご相談ください。緊急時は次の窓口へ:いのちの電話(日本いのちの電話連盟) 0120-783-556(フリーダイヤル。毎日16:00〜21:00、毎月10日は朝8:00〜翌11日朝8:00。ナビダイヤル0570-783-556は10:00〜22:00(年中無休・通話料有料))/よりそいホットライン(社会的包摂サポートセンター) 0120-279-338(24時間対応・通話無料。福島県からは0120-279-226)/こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省) 0570-064-556(電話した所在地の都道府県・政令指定都市の公的相談機関につながる。曜日・時間は自治体により異なる。050で始まるIP電話からは接続不可)/救急安心センター事業(#7119) #7119(急な病気やけがで救急車を呼ぶか迷ったときの相談窓口。実施地域のみ)。無料の相談窓口一覧